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たまひびとらの絵本の実

読書好きな姉妹と弟と父母の読んだ本

三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録 

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三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録
三階書記室の暗号 北朝鮮外交秘録

とにかくすごい本だ。脱北した元北朝鮮幹部外交官による北朝鮮内部暴露かつ半生記。分量も多くて内容も濃い。今までに読んだ北朝鮮本でも特に抜きんでた内容だと思う。

北朝鮮において金一族は神なのだ。国・国民は金一族のために存在する。国家のリーダーが国・国民のために存在する他国とは根本的に異なる。金日成は国家をまとめあげ一定の成功もあったが、続く金正日が世襲を正当化するためにこの金=神体制を作り上げた。金正恩に至っては自らの力不足・出自の問題に加え、韓国の映画やドラマが北朝鮮に入り込み、制裁の影響で市場の力が強くなり、体制のグリップはさらに難しい。金正恩は恐怖政治でコントロールを目論むが限界があるだろう。金正恩が権力を失えば北朝鮮は崩壊する。著者は脱北し、韓国サイドから朝鮮統一を目指すが、韓国の若者にとって北朝鮮は距離を置きたい存在であり一緒になりたい相手ではないというのもまた現実。

金一族にとって最重要なのは自らのサバイバル。サバイバルには対外的にも対内的にも核武装がもっとも有効。ありとあらゆる理由を付け、韓国を利用し、他国を騙し、時間を稼ぎ、核武装に至った。もし北朝鮮が攻撃され負けるような場合、つまり金一族がサバイバルできいない場合は、地球は滅ぶべき、つまり、核ミサイルを使用する局面となる。自らのサバイバルを担保する核武装。死ぬなら世界も道連れにする。逆に言えば、自ら核を使うことはないだろうが、北朝鮮を攻撃するのは難しい。

北朝鮮の外交は強い。外交は銃声のない戦争であると認識し、金一族のサバイバルをかけてのギリギリの外交を実行している。外交官のいかなる失敗も粛清につながりうる。内容いかんでは、自分だけでなく、家族、親戚の収容所送りや処刑も実際にある。自分の非だけでなく、親戚の非、政争によるでっち上げなどで、家族の運命も決まる。粛清の恐ろしさ。

最後に脱北を決意するところは泣ける。脱北すれば親戚一同も収容所送りなど犠牲がある。それでも、こどもたちを金一族の奴隷にし続けるわけにはいかないと夫婦で決断する。著者は人生を北朝鮮に捧げて、妻は金一族に極めて近い家の出身であるにも関わらず。

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category: 父の本

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